ただ、松原市は毎年「これだけ上げました」と分かりやすく発表してくれないし、ホームページも情報が上書きされて過去のデータは消されているので、これまでの値上げ状況は調べようがないかなーと思っていたのですが…。
図書館で何気なく手に取った、毎年発行されている「市政概要」に保育料のデータを発見! さかのぼって調べてみると、ここ数年のえげつない値上げっぷりが明らかになりました。
保育料は子どもを預ける世帯の所得によって変動するのですが、平成26年度の徴収金額(月額)はこんな感じになっています。
→ 保育料 - 松原市
そして、ここからが「市政概要」からコピーしてきた過去のデータ。
平成25年度は前年度と同じっぽかったので、平成24年~21年分までの4年分はこんな感じです。
…やっぱり、めちゃくちゃ値上げされてる。
ぶっちゃけウチは共働きの「C階層」なのですが、長男を預けはじめた平成22年と現在を比べると…
3歳未満の場合 9,000円 → 11,500円
3歳以上の場合 8,000円→ 10,500円
といった具合で、一月あたり2,500円も値上げされていました。出費が年間3万円も増えたという計算になりますから、これはかなり大きい…。
さらにさかのぼってみると、気になる点が出てきました。
今から10年前、平成16年のデータはこんな感じなのですが…
平成16年~21年の5年間でも保育料は上がっているものの、その上げ幅がまだ緩やかだったんですよね。
その証拠に、平成16年 → 平成21年 → 平成26年 と5年ごとの推移を見ていくと…
B階層(3歳未満)では
1,800円 - 1,200円UP → 3,000円 -3,000円UP → 6,000円
C階層(3歳未満)では
7,900円 - 1,100円UP → 9,000円 -2,500円UP → 11,500円
同じ「5年間」の変化なのに、後者の方がどーんと値上げされちゃってるのがよく分かります。
このことから、澤井市長(平成21年~)になってからの松原市は「低所得層に配慮することもなく」「ここ数年で一気に値上げを進めた」ということが言えるでしょう。
では、今後の保育料はどうなるのか…というと、まだまだ上げる気まんまんみたいです。
この「やられっぱなし」とも言える状況のなか、公立保育所の保護者たちを中心にした「松原保育連絡協議会」は市にたいして毎年「値上げをしないでください」と要望しているのですが、(とりあえず手元にあった)平成23年2月の松原市の回答はこんな感じ。
保育料の設定につきましては児童福祉法による交付要綱があり、国において児童の属する世帯の所得税、市民税など階層区分に応じた基準額が定められております。交付要綱の改正に伴い、国においては、階層区分を簡素化することにより保育料の均一化を図る方向であるとされています。
本市におきましても、平成10年度より10階層の徴収体系に基づき保育料を徴収しておりますが、今後、国の動向も踏まえ、国徴収基準額に沿って負担の公平化、平準化を検討して参りたいと考えております。
なお、今後につきましても、国基準に基づき段階的に見直しを図って参りたいと考えております。
この「国基準」という数字はべらぼうに高く、だからこそ自治体がそれぞれ軽減措置を図っている(差が出てきてしまう)部分なんですが、これに基づいて見直しってことは、そういうことですよね…。
さらに調べてみると、平成27年度から始まる予定の「子ども・子育て支援新制度」を機に、国基準額や自治体の軽減措置の見直しがあるかも…ということで、なんだかもう気分が重たくなってきました…。
もちろん、市町村それぞれに財政の事情があり、保育園に子どもを預けている世帯だけを優遇するわけにはいかない…ということは理解しているつもりです。
ただ、近隣の市町村と比べると松原市の保育料が高い水準にあるのは紛れもない事実です。
こうして比較してみると、B階層はズバ抜けて高く、C階層も細分化されていないので割高、乳児から幼児になってもそんなに安くならない、といった特徴が分かっていただけるかと思います。
市町村 | B階層 | C階層 | 最高額 |
---|---|---|---|
国基準 | 9,000/6,000 | 19,500/16,500 | 104,000 |
松原市 | 6,000/5,000 | 11,500/10,500 | 83,000 |
大阪市 | 2,100/1,500 | 8,100~11,800/7,000~10,400 | 68,600 |
八尾市 | 4,500/3,000 | 9,800~11,700/8,300~9,900 | 63,000 |
堺市 | 5,000/3,000 | 10,000~12,000/8,000~10,000 | 67,000 |
藤井寺市 | 2,500/1,500 | 8,500~9,500/6,000~7,000 | 53,000 |
羽曳野市 | 3,500/3,000 | 8,500~10,700/7,000~8,800 | 72,800 |
富田林市 | 0 | 8,300~10,200/5,600~7,600 | 66,000 |
*3才未満/3才以上
また、ここ数年の急激な値上げにしても、ここで検証したようなデータはちょっと調べないと出てこないような状況で、子育て世帯にたいして「十分に説明する」「負担増に理解を求める」といった姿勢はとても見られません。
100歩譲ってこのような状況を認めるとしても、こんな有様で「子育て日本一へ」なんて間違っても口にしてほしくありません。
まあ、何を書いたところで、「値上げ」ではなく「国基準に基づいた見直し」だと言い張っている松原市には何も伝わらないでしょうけど…。
◆参考リンク
→ 大阪府内の市別の保育所保育料比較 - よどきかく
2013年のデータですが、「池田市・大阪市・豊中市・松原市の高さと、高石市・大阪狭山市・枚方市・富田林市の安さが目に付きました」とのこと。
→ 子育て応援都市宣言 AIOI【相生市】
兵庫県相生市では、保育料の軽減や給食費無料化などの積極的な取り組みを平成23年度から開始、平成25年度には転入プラスを達成したそうです。
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