→ 予想以上に進む、松原市の人口減少
→ 就学援助の縮小が止まりません…
こうなると、気になってくるのはやはり小中学校の統廃合の問題です。なんせ、4つの市立幼稚園を一気に統廃合して1つにまとめてしまうような乱暴な市ですからね…。
そこで調べてみると、ほとんどの市民に知らされないまま、統廃合を視野に入れた話がじわりじわりと進められていることが分かりました。
この記事では、統廃合の議論が行なわれていたらしい平成25年度「松原市立小中学校通学区域審議会」の配布資料を白日の下に晒し、その問題点や今後について考えてみたいと思います。
平成25年度には、10月18日に第1回、26年3月28日に第2回と、2度の審議会が開かれています。ホームページおよび市役所一階の情報コーナーにはまったく情報が見当たらなかったので、教育委員会教職員課さんにお願いして、会議の際に配布された資料を(実費で)コピーしていただきました。
委員のメンバーを紹介しておきますと、名簿に載っている順に堤實(会長)、寺籠正行(会長職務代理)、紀田崇、山本育宏、池内秀仁、中尾良作、福嶋光広、若林良信、永田光治、山本博志、岡田光雄、松井俊明、柗本秀樹、冨岡裕樹、手束元信、松尾晃、吉田裕彦、安松昌信、髙橋正人、中島智子、東野光広、北島博史、の22名。会長は松原市社会福祉協議会の代表で、太字は市議会議員さんです。
では、まず第1回の資料から。
・諮問理由
これはおそらく、教育委員会から審議会に提出された資料ですね。「規模の適正化」というのはよく使われる言い回しで、要するに統廃合です。ここでは「あり方検討委員会」の設置も求めていますが、こういうのもよくある手ですね。
(資料1)将来の推計「松原市第4次総合計画資料」
(資料2)松原市立小・中学校の児童・生徒数の推移
(資料3)大阪府下における学校の適正規模ならびに適正化の方向・方策(例)
他市はこんな基準で統廃合を進めているという資料ですね。市名は伏せているものの、データを見れば丸分かり、上から順に大阪市、大東市、枚方市で間違いなさそうです。
このなかで松原市の規模にいちばん近いのは大東市ですが、どうしても連想してしまうのは2013年に起こったこの事件ですね…。
→ 小学校5年生が学校の統廃合中止を願い自殺、反対運動も起きていた - NAVERまとめ
(資料4)小学校別児童数及び学級数の推移(平成25年5月1日数値より)
(資料5)中学校別生徒数及び学級数の推移(平成25年5月1日数値より)
(資料6)児童数・生徒数(合計)推移予想
(資料7)小学校・中学校学級数(合計)推移予想
これがかなり重要なデータになります。個人的に気になった部分を分かりやすく抜き出してみました。
人口12万人の市なのに、たった6年で小中学生が1600人も減少するって相当やばいんじゃないでしょうか…。
(資料8)松原市内の宅地開発等の状況
いろいろと書いてありますが、第2回の資料では「いくつかの地点で開発の進んでいる地域もあるが、すでに開発が進んだところではマンションの売れ残り等起こっており、大きな人口増は期待できない」とまとめられています…。
つづいて、第2回の資料を紹介します。第1回と重複しているものは省いてあります。
・学校統廃合-公立小中学校に係る諸問題-
いきなりド直球なタイトルの論文(?)が貼り付けられていたので面食らいました。こちらは国立国会図書館のサイトで読むことが出来ます( →pdfファイル)。
・あり方検討委員会のまとめ
第1回で触れられていた「あり方検討委員会」は実際に設置され、約5ヶ月の間に4回も会議を開いてまとめまで作っていたと…ふだんの教育委員会からするとありえないスピードで、本気度が感じられますね。
ただ、内容はというと「改修するより統廃合がらみの方が国からお金が引っ張れます」「今の施設で統廃合すると学級数が大きくなりすぎるんで、児童数が減るまでもうちょっと待ちましょう」といった具合で、子どもの身になって考える気はさらさらないのが感じられます…。
・市立の小学校及び中学校の規模の適正化及び今後の各中学校区のあり方についての申し送り事項(案)
で、案とはいえ「統廃合も視野に入れて検討すること」という文言の入った教育委員会への申し送り文もすでに作られているわけです。
適正化にあたっては市民への十分な説明と理解を旨とする具体的な手続きを教育委員会として検討すること
とはありますが、とっても不安です。
というのも、これだけ踏み込んだ内容の会議が開かれているにも関らず、まともに広報がされているとはとても思えないのです。
個人的に、この審議会には興味があって傍聴してみたいなーと思っていたのですが、第1回の審議会の公告は市役所の前の掲示板に貼られていただけ。これは明らかに市が定めた以下の指針に違反しています。
→ 会議の公開に関する指針 - 松原市
そこで、教育委員会に問い合わせのメールを送ったのですが、返事が来たのは一ヶ月以上経ってから。不備は認めつつも謝罪の言葉は一切ない、ひどいものでした。
今回ご指摘のありました、平成25年度第1回松原市立小中学校通学区域審議会(平成25年10月18日)の開催に際し、掲示板での公告のみでホームページに情報を掲載しなかった点につきましては、市民への周知の不徹底にあたるとともに、本市「会議の公開に関する指針」に照らしても不備があったということで、担当課として善処するべく対応させていただきます。今後このようなことの無いよう、公開手続きの徹底とスピーディーで正確な情報提供に努めてまいりますので、ご理解いただきますようよろしくお願いします。
こういった経緯を踏まえたうえで、第2回の審議会はどうアナウンスされていたかというと…
→ 松原市教育委員会公告第1号(pdf)
公告があったのはなんと会議の3日前…。
議題についても「(1)通学区域について(2)その他」とあるだけで、資料を見ただけでも議論の中心にあったと分かる「統廃合」についてまったく触れられていません。
「スピーディーで正確な情報提供」が聞いて呆れますね…。
そして、25年10月の開催からもうすぐ一年が経とうとしているのに、25年度審議会の議事録および資料は(公には)いっさい公開されていないわけです…。
統廃合を視野に入れた議論が行なわれていることを隠したいのかな…と思われても仕方がない状況じゃありませんか?
これは推測ですが、この調子だとここ2,3年のうちに何かしら具体的な動きが出てくるんじゃないでしょうか。
となると当然、今年8月24日に行なわれる松原市議会議員の選挙戦でこの問題に触れないわけにはいかないと思いますので、関心のある市民のみなさんにはガンガン突っ込んでいただきたいですね。
25年度分の審議会の議事録や、26年度の開催情報など、新たな情報が出てきたらまたお伝えしたいと思います。
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